2003 年 64 巻 2 号 p. 141-144
大雪山高山帯を流れる北海沢(標高1,840m)と赤石川(標高1,830m)において,流水性水生昆虫の組成を調べた。その結果,北海沢からは合計4目10タクサの水生昆虫が採集された。トビケラ目が全個体数の90%を占め,コエグリトビケラ科のコエグリトビケラ属が卓越し,全個体数の78%を占めた。
赤石川からは2目3タクサの水生昆虫が採集され,オナシカワゲラ科のオナシカワゲラ属だけで全個体数の77%を占めた。両河川に共通する水生昆虫は認められなかった。赤石川のpHが3.1と酸性度が高いことが原因と思われる。