日本臨床外科医学会雑誌
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心房粘液腫の3例
及川 佑一郎伊藤 伊一郎井筒 岳佐藤 泰和
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1983 年 44 巻 12 号 p. 1452-1457

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抄録
3例の心房粘液腫の治験例について若干の考察を加え報告した.左房粘液腫2例,右房粘液腫1例で左房粘液腫の1例は左房内の別々の部位より2個の粘液腫が発生していた.粘液腫は4個とも有茎性であり,その付着部位は2個は卵円窩, 1個は心房中隔, 1個は右房自由壁であった.全例術前に超音波検査や心血管造影により腫瘍の存在を確認した.右房粘液腫例では通常の右房造影ではなく, RIアンギオグラフイにて腫瘍を確認した.手術は胸骨正中切開,体外循環下に大動脈を遮断し摘出術を行った.右房粘液腫例の下大静脈への脱血チューブは右大腿静脈より挿入した.腫瘍の摘出方法は卵円窩発生例では卵円窩切除,異所性発生例は腫瘍付着部の心内膜を筋層も含めて切除した.腫瘍細胞は心内膜下層にとどまっていた.
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