日本臨床外科医学会雑誌
Online ISSN : 2189-2075
Print ISSN : 0386-9776
血液型と消化性潰瘍の関連についての研究
第1編:潰瘍患者における血液型分布の統計的観察
岡村 貞夫佐々木 政一勝見 正治谷口 勝俊田伏 洋治
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1984 年 45 巻 2 号 p. 113-118

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抄録

当科及び和歌山県並びに周辺地区の関連16施設において手術を受けた消化性潰瘍患者2,175名について血液型と潰瘍の関係を調査し,和歌山県の昭和56年度献血者69,097名の血液型分布を対照に検討した.
調査項目は個人的背景に重点をおき,手術適応別,潰瘍家族歴及び初発年齢別に分類し調査した.
その結果,対照群ではA型37%, B型23%, AB型10%, O型30%であるのに対し,潰瘍2,175例では, A型33%, B型21%, AB型8%, O型38%とA-O型分布の逆転がみられた(p<0.01).
この傾向は胃潰瘍(GU)及び十二指腸潰瘍(DU)いずれにおいても認められ,手術適応別では出血性GUにおけるO型の頻度が47%と最も著明に増加していた(p<0.01).
家族歴を有する潰瘍患者は平均初発年齢が約10歳若く, GUでは家族歴のない潰瘍群と異り対照群と殆ど同様のA型優位の分布を示した.
又初発年齢別の検討でも30歳以下の年齢で発症したGU 116例は家族歴を有するGUと同様にA-O型分布の逆転がみられず,対照群との間に殆ど差を認めなかった.
O型頻度の有意な増加はDU及び31歳以後に発症するGUのみに明らかであり, early onset typeのGUは血液型以外の因子が発症に関与している事が示唆された.

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