日本臨床外科医学会雑誌
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乳癌集団検診におけるコンタクト・サーモグラフィーの有用性と限界の検討
清水 哲横山 日出太郎松川 博史城島 標雄有田 峯夫須田 嵩五島 英迪松本 昭彦田中 耕作萩原 明井出 研近藤 庸人
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1985 年 46 巻 7 号 p. 923-927

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抄録
乳癌集団検診の二次検診において,コンタクトサーモグラフィーを,マンモグラフィー,エコーグラフィーと共に補助診断法として用い,その有用性,限界について検討を行なった.使用したサーモブレートは,イタリアFinpat社製 “Breast Thermo Detector” であり今回は特に,腫瘤部の温度の高低に注目して診断した.その結果,乳癌症例の正診率は全体で68%, T>2cmでは86%, T〓2cmでは38%であった.病理組織学的には,線維腺腫,乳腺のう胞腫との鑑別は容易であったが,乳腺症との鑑別は難しかった.したがって,コンタクトサーモグラフィーは乳癌の精密検査法としての利用価値は低いとおもわれた.しかし,触診の補助診断法として用いることにより,手軽で安価な検査法としての利用価値があるのではないかと考えられた.
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