日本臨床外科医学会雑誌
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インスリノーマに対する術中超音波検査の臨床的意義
伊藤 徹針原 康高見 実大西 清出月 康夫万代 恭嗣
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1985 年 46 巻 7 号 p. 918-922

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抄録
インスリノーマと診断された3例を対象に術中超音波検査を施行した.このうちMEA I型の1症例では,術中所見にてインスリノーマが2個存在していた. 3例4病変のインスリノーマは,術中超音波画像上はいずれも正常膵よりも低エコーレベルを呈する腫瘤像として描出された.腫瘍の最大径はそれぞれ, 10mm, 10mm, 13mm, 25mmであった.諸家の報告からも,インスリノーマの超音波像の特徴は低エコーレベルの腫瘤像と考えられた.手術術式としては, 4病変のすべてに核出術を施行した.このうち10mmのインスリノーマが膵頭部に存在した1例では,腫瘤は膵の深部に膵管と接するようにあり,術中超音波検査の助けなくしては安全な核出術は施行し得なかったと考えられた.術中超音波検査はインスリノーマと膵管との位置関係を確実に把握する点で有用と思われた.
術中超音波検査はインスリノーマの局在診断が不確実な場合に,最後の決め手となるのみならず,インスリノーマの多発病変の検索,安全な核出術のガイドとして,その有用性は高いと考えられた.
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