日本臨床外科医学会雑誌
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手術前に診断できた閉鎖孔ヘルニアの1例並びに本邦報告246例の文献的考察
森村 尚登西山 潔渡会 伸治山崎 安信門口 幸彦林 嘉繁土屋 周二
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1988 年 49 巻 1 号 p. 132-138

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抄録
手術前に診断できた閉鎖孔ヘルニアの1症例を報告し, 1926年から1986年8月まで本邦報告例246例を集計し文献的考察を行った.
症例: 78歳女性.下腹部痛.左大腿内側部のしびれ感により当院受診.下腹部膨隆し, Howship-Romberg徴候は陽性.腹部単純X線写真で鏡面形成像があった.閉鎖孔ヘルニア嵌頓によるイレウスと診断し緊急手術を施行し,治癒した.
閉鎖孔ヘルニアは比較的稀な疾患で,術前診断がむずかしくイレウスとして緊急手術となる症例が多い.しかしHowship-Romberg徴候は約80%に認められるので,これを確認して診断することが重要であると思われた.
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