日本臨床外科医学会雑誌
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右房から右室にわたる異物カテーテル片の経皮的摘出の1成功例
増田 政久中川 康次古川 斉椎原 秀茂鶴田 好孝奥井 勝二
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キーワード: 心腔内異物除去
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1988 年 49 巻 12 号 p. 2327-2329

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抄録

右房から右室にわたる異物カテーテル片を経皮的に摘出した1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.症例は71歳の女性で近医にて子宮体部癌の診断のもとに拡大子宮全摘術をうけ,術後中心静脈栄養下に管理された.症状の改善をみたので術後16日目なカテーテルを抜去する際,カテーテルを切断,遺残させたため,ただちに皮膚切開しカテーテル抜去を試みたが,内頚静脈内に落下し抜去不能となった.カテーテル片が移動したため直ちに右大腿静脈より経皮的にオリンパス社製Papillotomy knife (十二指腸乳頭切開用電気メス)を挿入し,カテーテル片の摘出に成功した.本器具は同症例緊急使用時には考慮されるべき有用なものと考えられた.

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