日本臨床外科医学会雑誌
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鈍的外傷による解離性腹部大動脈瘤の1例
木下 寿彦清永 勉麻生 重明平田 義博明石 英俊浦口 憲一郎山名 一有木下 寿文小須賀 健一
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1988 年 49 巻 12 号 p. 2336-2340

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抄録

症例は57歳男性で,耕運機の下敷きになり腹部打撲し,腹痛・腰痛を訴える.超音波検査で腹部大動脈内にintimal flapを認め,外傷性解離性腹部大動脈瘤の診断をうける. Digital subtraction angiogram (DSA)にて腎動脈分枝下部にintimal tearを認め,解離は右外腸骨動脈に及んでいた.手術ではintimal tearは腹部大動脈の後壁を除くほぼ全周にみられ, Y字型ダクロン人工血管による置換を行い,下腸間膜動脈も再建した.術後経過は良好で,術後血管造影ではグラフト及び下腸間膜動脈の血流は良好であった.

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