日本臨床外科医学会雑誌
Online ISSN : 2189-2075
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経仙骨的に摘除した直腸原発奇形腫の1例
長谷部 行健本田 亮一鷲沢 尚宏朴 英進船橋 公彦鹿野 純男笹本 修一小林 一雄柳田 謙蔵吉雄 敏文川島 登
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1988 年 49 巻 12 号 p. 2371-2375

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抄録

65歳の女性で便秘を主訴に来院し,注腸X線透視で直腸に円形の石灰化陰影を含んだ楕円形の腫瘤陰影を認め,大腸内視鏡検査では表面に毛髪を有する直腸腔内を満たす腫瘤を認めた.経仙骨的に腫瘤を摘出したところ,大きさ8×6×4cmで,表面に毛髪を有し,割面では骨組織,嚢胞やメラニン色素沈着がみられた.病理組織学的に成熟型奇形腫と診断した.直腸原発奇形腫は非常に稀で,現在までに40例が集計されているにすぎない.経仙骨的直腸切開術にて摘除したのは本症例が初めてと思われるので,文献的考察を加えて報告した.

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