抄録
先天性胆管拡張症,良性胆管狭窄に対し,病的胆管を切除し有茎空腸間置胆管十二指腸吻合術(間置法)で再建した際の利点を,術後の消化管への胆汁排出能の面から胆道・消化管両シンチグラフィーの同時定量解析法を用い胆管空腸Roux-Y吻合術(Roux-Y法)と対比し検討した.間置法6例では経口食摂取後胆汁は速やかに上部小腸内に流出し,消化管内における食物の進行と胆汁の進行のずれ(postcibal asynchronism)はRoux-Y法7例のそれに比べはるかに軽度であった.しかし間置法のこの特長を生かすためには間置空腸を15~20cmにすべきで, 40cmとった1例では食後胆汁が間置空腸内にうっ滞し, postcibal asynchronismの程度はRoux-Y法のそれに近づいた.したがって間置法で再建する際は,間置空腸の長さの決定には慎重でなければならない.