日本臨床外科医学会雑誌
Online ISSN : 2189-2075
Print ISSN : 0386-9776
ISSN-L : 0386-9776
転移性肝癌の超音波所見
自験例210例の検討
西森 武雄西野 裕二金 義哲中河 宏治山本 時忠田中 肇梅山 馨
著者情報
ジャーナル フリー

1989 年 50 巻 1 号 p. 50-59

詳細
抄録
最近5年間に経験した転移性肝癌210例の超音波像について検討した.転移性肝癌の超音波所見は原発性肝癌に比べると,境界は平滑なものが多く(79%),辺縁低エコー帯を有する場合厚いものの頻度が高いのが特徴であった.内部エコーレベルは69%が高エコーを呈し,腫瘍の後方エコーは2%が増強し,原発性肝癌に比して少なかった.外側陰影は8%にみとめ,原発性肝癌の29%と比べると低率であった.以上の所見は腫瘍の大きさが2cm以上5cm未満で高率にみとめられた.以上のような超音波像の特徴を知ることにより転移性肝癌の正診率は向上すると思われた.
著者関連情報
© 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top