日本臨床外科医学会雑誌
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両側にしかも一側では多中心性に発生した乳腺小葉癌の1例
福内 敦児玉 孝也田中 礼子伊藤 公一金地 嘉春伊藤 悠基夫小原 孝男藤本 吉秀相羽 元彦平山 章
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1989 年 50 巻 8 号 p. 1548-1550

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抄録
乳腺小葉癌は,欧米においては全乳癌の5~10%を占め,両側性,多中心性に発生しやすいことが特徴とされている.しかし,本邦では稀で,こうした臨床的特徴も必ずしも当てはまらないと言われてきた.ここに報告する35歳の女性症例では,乳腺小葉癌が両側性に発生したのみならず,右乳腺では多中心性(合計4ヵ所)発生を認めた.近年,生活習慣の欧米化にともなって乳癌が増加したことが指摘されているが,本症例はその臨床的特徴も欧米化しつつあることを示唆する症例である.
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