日本臨床外科医学会雑誌
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肝・脾に限局した悪性リンパ腫の1例
森 匡小川 法次竹内 幸康水谷 伸宗田 滋夫
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1990 年 51 巻 3 号 p. 562-566

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抄録

症例は48歳,男性で右側腹部から背部の腫脹感を主訴に来院した.各種画像診断にて,肝・脾に限局した悪性リンパ腫または,原発巣不明の転移性腫瘍と診断し,確定診断のため摘脾術を施行した.病理学的検索により,悪性リンパ腫と診断され術後化学療法を開始したが,肝不全および腎不全にて死亡した.剖検所見では病巣は肝と脾のみに限局しており,いずれかの臓器原発の悪性リンパ腫と考えられた.肝および脾原発の悪性リンパ腫はまれで1988年までに本邦で,それぞれ20例,101例のみである.これらの集計も含め文献的考察を行った.

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