日本臨床外科医学会雑誌
Online ISSN : 2189-2075
Print ISSN : 0386-9776
ISSN-L : 0386-9776
腎癌の甲状腺転移の2例
小林 薫八代 亨鈴木 章真鍋 嘉尚尾崎 修武伊藤 國彦
著者情報
ジャーナル フリー

1990 年 51 巻 5 号 p. 1063-1067

詳細
抄録

腎癌による転移性甲状腺癌の2例を経験した.病理学的診断は2例とも明細胞癌であり,サイログロブリンの免疫染色で甲状腺原発の明細胞癌と鑑別が可能であった.腎癌の甲状腺転移には転移巣の摘除で良好な予後の得られる症例がある.
症例1は71歳の女性で甲状腺左葉に結節を有していた.甲状腺の手術後,転移性の明細胞癌と診断され,原発巣は左腎癌と判明した.左腎摘除を行い,その後3年間再発なく良好に経過している.
症例2は69歳の男性で甲状腺右葉に結節を有していた.9年前に腎癌で右腎摘除を施行していた.甲状腺右葉切除を行い,腎癌の甲状腺転移と確認した.3年後腎癌の全身転移にて死亡した

著者関連情報
© 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top