日本臨床外科医学会雑誌
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残胃空腸吻合部に発生した腺扁平上皮癌の1例
佐々木 俊治内田 雄三友成 一英藤島 宣彦村上 信一久保 宣博柴田 興彦葉玉 哲生
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1990 年 51 巻 5 号 p. 993-996

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抄録

胃の腺扁平上皮癌は稀で,さらに残胃空腸吻合部の腺扁平上皮癌は極めて稀である胃切除術後31年を経て残胃空腸吻合部に発生した腺扁平上皮癌の1例を報告する.
症例は57歳男性で,31年前に十二指腸潰瘍に対し幽門側胃切除術並びに胃空腸吻合術(Billroth II)を施行されていたが,心窩部痛を主訴に当院受診した.諸検査の結果,残胃空腸吻合部癌の診断のもとに残胃全摘術,膵・横行結腸合併切除術を施行した.
残胃空腸吻合部の浸潤潰瘍性の腫瘍は,5.5×4.0cm大で,病理組織学的には,腺扁平上皮癌であった.本症例は,肝転移及び癌性腹膜炎を発症し術後6ヵ月で癌死した.

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