日本臨床外科医学会雑誌
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歯ブラシ誤嚥後3年経過して発症した十二指腸異物の1例
石井 敏勤岡本 安弘野々下 頼之
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1992 年 53 巻 1 号 p. 113-117

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抄録
誤嚥後3年経過して発症した十二指腸異物(歯ブラシ)を摘出した1例を経験した.症例は60歳の女性で,心窩部痛,吐血,下血を主訴に来院した.内視鏡検査で十二指腸内に棒状の異物を認めた.内視鏡的に摘出を試みたが,不成功であった.患者は3年前に歯ブラシを誤嚥したことを思い出したが,症状がなかったので忘れていた.上部消化管造影で十二指腸下行脚に嵌入しているため,開腹術にて摘出した.
歯ブラシの誤嚥例は20年間で20例が報告されている.いずれも内視鏡や手術を受けていて,自然排出例はない.長大な異物は十二指腸に嵌入すると,出血や穿孔の危険性があるので,早期の摘出処置が必要である.
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