抄録
われわれは最近Hirschsprung病成人例を経験した.
症例は23歳男性.幼少児期から頑固な便秘傾向があり,人工肛門の造設を勧められたにもかかわらず,家人がそれを望まず,下剤,浣腸などにより腹満,便秘に対処していた.思春期以後も便秘傾向は持続したが,下剤を使用せずに,数日に1行の排便を認めるようになり,成人に達した.
しかし,最近便秘傾向が増強し,腹痛,腹満をきたし来院した.注腸造影の所見は,典型的ではなかったがcaliber changeとその口側の拡張を認め, Hirschsprung病成人例を疑った.肛門内圧測定および直腸全層生検によるアセチルコリンエステラーゼ染色で確定診断した.腹会陰式にGIA自動吻合器を用いたDuhamel変法(Z型吻合法)により手術を施行し,術後経過は順調である.