日本臨床外科医学会雑誌
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腹部大動脈Yグラフト移植後,壊死結腸の排泄をきたした虚血性大腸炎の1例
森浦 滋明平井 正文池田 修平内木 研一
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1992 年 53 巻 1 号 p. 136-139

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抄録
閉塞性動脈硬化症にたいする腹部大動脈Yグラフト移植後,壊死結腸を経肛門的に排泄した虚血性大腸炎の1例を報告する.症例は65歳男性で,主訴は左下腿の安静時痛であった. Yグラフト術後第2病日に軽度の血便をきたし, 21病日に壊死におちいった16cm長で円筒状のS状結腸を排泄した.翌日開腹ドレナージと人工肛門造設術を施行して全身状態は改善した.壊死腸管の排泄は他の報告でも術後数週間を経過してから観察されている.このまれな病態の機序として,腸管の阻血が比較的緩徐に進行,増悪し,不可逆性な壊死におちいったものと考えた.
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© 日本臨床外科学会
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