日本臨床外科医学会雑誌
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形態の異なる直腸粘膜脱症候群の3例
長嶋 健宮原 弘次尾本 秀之
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1992 年 53 巻 1 号 p. 140-144

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抄録
直腸の粘膜脱症候群(MPS)は比較的稀な疾患とされてきたが,近年その報告例も増加しつつある.今回われわれはそれぞれ形態を異にしたMPSの3症例を経験したので報告する.症例1は21歳の男性で下痢・血便にて来院.下部直腸前壁にポリープ様隆起性病変を認め,経肛門的腫瘤摘出術を施行した.切除標本では粘膜下の嚢胞形成が著明で,病理学的にMPSと診断した.退院後外来にて経過観察していたが約7カ月目より血便が見られ,隆起性病変の再発が認められた.症例2は18歳,女性で肛門出血・残便感を主訴に来院.下部直腸に4個の分葉状ポリープを認め,経肛門的腫瘤摘出術を施行した.症例3は39歳,女性で肛門出血を主訴に来院.以前より脱肛がある.下部直腸前壁に浅い潰瘍性病変を認め, MPSの疑いにて外来経過観察とした.自覚症状は消失したが約4年半後の現在,潰瘍は依然として存在し,また新たに直腸粘膜の顆粒状変化が認められた.
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