日本臨床外科医学会雑誌
Online ISSN : 2189-2075
Print ISSN : 0386-9776
ISSN-L : 0386-9776
肝外傷症例の検討
若山 達郎仲西 博子竹内 豊吉野 篤人和田 哲明福島 康正服部 博之井上 篤奥山 正治船津 秀夫豊田 忠之
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 53 巻 1 号 p. 54-61

詳細
抄録
過去10年間の肝外傷症例52例の臨床的検討を行った.平均年齢は31歳で,男性38例,女性14例で男女比は2.7:1であった.開放性損傷が12例(23%),非開放性損傷が40例(77%)であった.開放性損傷の受傷原因は刺創が多く,損傷形態では真喜屋分類のI型が多かった.手術は主として肝縫合止血が施行され, 2例が出血死した.非開放性損傷の受傷原因は交通事故が多く,損傷形態では,真喜屋分類のI型12例, II型7例, III型11例,中心性破裂10例であつた.中心性破裂の全例,およびI型, II型の一部の計13例に保存的治療を行い,すべて軽快退院した.手術は24例に行われ,肝縫合止血10例,肝切除7例,ドレナージ5例,処置不能2例であつた.術後12例がすべて4日以内に死亡した.死因は出血死9例(肝6例,他部位3例), MOF 2例,脳挫傷1例であつた. III型は11例中8例が死亡し,重症だった.その他に,開腹以前に出血死した最重症例が2例,および心筋梗塞にて死亡し,剖検にて肝損傷を発見された原因不明例が1例あった.
著者関連情報
© 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top