日本臨床外科医学会雑誌
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大腸穿孔の臨床的検討
特に大腸癌穿孔例について
田中 千凱竹之内 直人大下 裕夫
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キーワード: 大腸穿孔, 大腸癌穿孔
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1992 年 53 巻 1 号 p. 49-53

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抄録
大腸穿孔39例を対象とし,原因,穿孔部位,臨床所見,予後について検討し,さらに最も頻度の高い大腸癌穿孔例の手術成績と遠隔成績について検討を加えた.穿孔は74%がS状結腸と直腸S状部に発生し,その原因は大腸癌38%,大腸憩室36%と,両者で74%を占めた.確定診断となる腹腔内遊離ガスの出現率は49%と低かった.穿孔原因のいかんを問わず,術前ショック症状,遊離穿孔,および腹腔内糞便漏出は大腸穿孔のrisk factorであり,手術直接死亡率は21%であった.大腸癌穿孔15例は,大腸癌手術例717例の2.1%にあたり,進行例が多く,治癒切除率は47%と低く,治癒切除例の5年生存率は34.3%と不良であった.
このような穿孔症例には術前からの強力な抗ショック療法が重要であり,大腸癌穿孔例ではリンパ節郭清を考慮した一期的切除を心がけるべきと考えられた.
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