抄録
静脈カテーテル法に起因する深部静脈血栓症23肢を経験した.静脈カテーテル法は,深部静脈血栓症の誘発因子の中で最も頻度の高い直接的因子であった.使用静脈として,表在静脈では穿刺による血栓症の発生はなく留置のみで発生したが,深部静脈では穿刺及び留置で血栓症が発生した.血栓症の発生時期は,下肢静脈ではカテーテル法後7日目頃から発生し14日目頃に多発した.血栓症の発生形式は,穿刺後血栓症,カテーテル留置中血栓症,留置カテーテル抜去後血栓症の3型があった.診断は超音波断層法によりベットサイドで可能であった.治療には特異なものはなく,予防が重要である.静脈カテーテル血栓症の予防法として,上肢静脈の選択,カテーテル挿入静脈の定期的変更,超音波断層法によるカテーテル付着血栓の評価,予防的抗血栓剤の投与などが勧められる.