抄録
食道海綿状血管腫の1例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.症例は67歳,女性で貧血を主訴とし,嚥下困難,吐血,下血は認めなかった.食道造影にて上部食道に分葉状の約7×3cmの腫瘤を認め,食道内視鏡にて青色の弾性軟な粘膜下腫瘤を認めた. CTにて上部食道にenhanceされない辺縁整で,内部に石灰化を伴う腫瘤を認めた. MRIでも同部位に腫瘤を認めた.超音波下内視鏡検査(Doppler)では腫瘤内の一部に血流を認めたが,血流の豊富な腫瘤としては描出されなかった. Open door法にて食道に達し,胸部食道切除術を施行した.病理所見は海綿状血管腫であった.食道血管腫は大きさを問わず出血を来すため治療の対象となる.本邦59例の治療法を検討すると,腫瘤径が4cm以上のものは外科的切除(食道切除,核出術)が施行され, 3cm以下のものに対しては内視鏡的ポリベクトミーや硬化療法が適応されていた.