日本臨床外科医学会雑誌
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小腸虚血性病変に対する4手術症例
花崎 和弘近藤 昭二木下 友順中谷 易功
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1992 年 53 巻 10 号 p. 2436-2440

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抄録
4例の小腸虚血性病変に対し開腹手術を施行した. 4症例の平均年齢は73歳,男女各2名ずつであった.いずれもイレウス症状を呈し,併存疾患として2例に高血圧,脳梗塞を認め, 1例に糖尿病を認めた.症状の発症から手術開始までの時間は平均38時間であった.病変の占拠部位は2例が空腸から回腸部に,他の2例は回腸部であった.手術術式は2例に広範囲に及ぶ小腸切除術を施行し, 1例に回腸部分切除術,他の1例は開腹時病変が壊死に陥っていないと判断し,試験開腹術にとどめた.病理組織学的所見は2例が上腸間膜静脈血栓, 1例が動脈硬化による虚血性小腸壊死であった.転帰は4例中2例が死亡した.本疾患は80歳以上の高齢者でかつ血管病変を併存している場合は致死率が高く,原因として手術後の再閉塞・再壊死の発生が考えられた.また本疾患術後の急性循環障害,肝・腎機能障害およびDIC発生予防にウリナスタチン投与は有用であった.
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