日本臨床外科医学会雑誌
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開腹術を行った小腸結核7例の検討
畑中 信良桑原 修土肥 英樹武田 伸一藤原 清宏
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1992 年 53 巻 10 号 p. 2441-2444

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抄録
結核に対する化学療法の進歩にともなって,腸結核症例の病態も従来の概念から逸脱したものが増えつつある.今回われわれは開腹術を行って小腸結核と診断された7例について報告する.いずれも穿孔または閉塞を来した緊急手術例であった.活動性肺結核の合併は4例にみられたが,喀痰または便に排菌の認められた症例は1例のみであった.全ての症例において抗結核療法が術前から施行されていた.切除標本の病理所見が結核像を示したのは2例のみであり,結核菌が検出された症例も1例であった.これに対して腸間膜リンパ節の組織診では6例中5例に結核性の変化が認められた.手術に際しては穿孔部または狭窄部のみを切除し,術後抗結核療法を追加した.術後経過は全例良好であり,再手術を要した症例はなかった.腸結核症例の診断にあたっては,病変部の病理所見のみでなく,腸間膜リンパ節の病理所見,術中肉眼所見,抗結核剤に対する反応性,などを加えた総合診断が必要である.治療としては抗結核剤による保存的治療を優先すべきであり,穿孔,閉塞などの合併症が生じた場合のみ外科療法の対象となると考えられる.
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