日本臨床外科医学会雑誌
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術中血漿IRI (immunoreactive insulin)値の測定が有用であったinsulinomaの1例
梶原 啓司辻 孝伊福 真澄窪田 芙佐雄南 寛行河部 英明川渕 孝明松尾 俊和村岡 昌司梶原 義史池田 高良
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1992 年 53 巻 10 号 p. 2504-2509

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抄録
腫瘤摘出の指標として術中の血漿immunoreactive insulin (IRI)値の測定が有用であったinsulinomaの1例を経験した.本症例は, Whippleの3主徴を満たす典型例で,術前の腹部超音波検査, CT,血管造影で膵頭部に腫瘤を認めた. 75g OGTTは2峰性の奇異パターンを示した.腫瘤は黄褐色・充実性で, 9×9mm 1.1gであった.インスリン染色陽性で組織学的にもinsulinomaと診断された.血漿IRI値は腫瘤摘出直後に著明に低下し,手術終了時まで低値を維持した.腫瘤摘出後の血糖値のhyperglycemic reboundは認めなかった.腫瘤摘出の指標として,術中の血漿IRI値の測定が有用であった.術後3カ月目の空腹時血糖値90mg/dl前後,血漿IRI値10μU/ml以下と安定している.術前pancreatic polypeptideが815pg/mlと高値であったが,術後速やかに低下し3カ月目には114pg/mlと正常域にあり, insulinomaのマーカーとしての意義を認めた.
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