抄録
脾過誤腫に肝血管腫・卵巣皮様嚢胞を併存した極めてまれな症例を経験した.脾過誤腫は本邦で38例を数えるのみであり,若干の文献的考察を加えて報告する.
患者は56歳,女性.発熱を主訴として来院し,精査の結果脾腫瘍,肝血管腫,右卵巣皮様嚢胞の診断を得たが,脾の悪性病変を否定できないため,脾臓および右卵巣摘出術を施行した.摘出脾臓は重量120g, 12×8×7cm大,下極に7×7cmの暗赤色境界明瞭な腫瘤を認め,組織学的検査にて赤脾髄型の脾過誤腫と診断された.また,摘出卵巣は10×7×6cm大,単胞性で内部に毛髪・皮脂腺・脂肪組織等を認め,組織学的にも卵巣皮様嚢胞と診断された.