日本臨床外科医学会雑誌
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後腹膜に発生した腸性嚢胞の1例
廣本 雅之日下部 輝夫森 秀樹前田 隆志津嶋 秀史久米 誠人伊達 淳島村 善行石井 正則小野 正人北井 祥三
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1992 年 53 巻 10 号 p. 2516-2521

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抄録
後腹膜に発生した腸性嚢胞のきわめてまれな1例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.
症例は21歳,女性,フィリピン人. 5年前,右上腹部腫瘤を指摘されるも放置,しだいに増大し右季肋部痛を伴うようになり来院,肝腫瘍の疑いにて入院となった.エコーで肝下面より右腎腹側にかけて,小児頭大の多房性のcystic massを認め, CTでも同部に一部で造影されるlow density massを認めた.血管造影では肝動脈からの腫瘍血管はみられず,圧排所見のみであった.下大静脈は左方に偏位していた.後腹膜奇形腫の診断にて,腫瘤摘出を行った.腫瘤は重量2,200gの嚢胞で,病理組織学的にはPAS陽性を呈する腸上皮類似の腺細胞より成る腸性嚢胞で,悪性像はなかった.
後腹膜の腸性嚢胞は非常にまれで,本邦において現在まで4例の報告をみるのみである.
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