抄録
腹腔,後腹膜原発の悪性線維性組織球腫(Malignant fibrous Histiocytoma; MFH)の3例を経験した.症例1は, 34歳の男性で高位除睾術後に放射線治療を受けた既往があり経過観察中に腹壁に腫瘤が出現し手術を施行した.腹膜原発のMFHと判明したが,局所再発を来たし化学療法が奏効したが,肺肝転移にて死亡した.症例2は, 79歳の男性で回盲部腸間膜に発生したMFHで,それに回腸が巻き込まれて一部の回腸が壊死に陥っていたため回腸上行結腸切除術を施行した.症例3は, 72歳の女性で腹部腫瘤を主訴として紹介され手術を施行したが,横隔膜,右腎に浸潤のある後腹膜原発の巨大MFHだった.
MFHは,一般に予後不良で局所再発,転移率も高く,手術の際は腫瘍のみならず周囲の結合組織等の充分な切除が必要だが,補助化学療法は,奏効例もあり出来るかぎり施行するべきと思われた.