日本臨床外科医学会雑誌
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原発性びまん浸潤型大腸癌の1例
佐藤 誠佐々木 一晃筒井 完中野 昌志阿部 俊英平田 公一成松 英明石山 勇司
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1992 年 53 巻 11 号 p. 2735-2738

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抄録
大腸癌において,原発性びまん浸潤型癌は稀な型であり,現在までに本邦で報告されているのは100余名に過ぎない.また,このうち組織学的にスキルスでない症例が半数を占めている.最近,組織学的にも著しい線維化を認めた直腸原発性びまん浸潤型大腸癌症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.
症例は68歳,女性.約2カ月間下血,肛門痛を認め当科入院となる.入院時の腫瘍マーカー値は高値で,注腸バリウム, MRI検査にて子宮,膣に浸潤した直腸原発性びまん浸潤型大腸癌の診断のもと,後方骨盤内臓全摘術を施行した.傍大動脈リンパ節に転移を認め非治癒切除であった.術後,肛門痛などの症状は消失し良好な経過を示したが,術後2カ月目頃から腰痛,腹痛,腹水が発生した.腫瘍マーカー値も著明な上昇を示し,癌性腹膜炎,悪液質にて術後6カ月で癌死した.
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