日本臨床外科医学会雑誌
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耐糖能障害を伴う食道静脈瘤術後患者の脂肪併用高カロリー輸液について
鎗山 秀人長山 正義奥野 匡宥池原 照幸梅山 馨
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1992 年 53 巻 2 号 p. 277-286

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抄録
食道静脈瘤に対する直達手術の術後にTPNを施行した肝障害患者20例をChild A (10例, A群), Child B (10例, B群)に分け, TPNの輸液組成とともに脂肪投与の影響と栄養学的効果について検討した.術前両群とも経口糖負荷試験(OGTT)で糖尿病型を示したが,術後TPN期間中の血糖値はB群ではA群に比べて高値で経過し,脂肪併用例では非併用例に比べて血糖値は低値で維持される傾向にあった.肝障害患者の術後TPNでの脂肪併用が肝に及ぼす影響については,肝機能検査上両群とも脂肪併用および非併用間に差は認められず, Child A, B程度の肝障害例での脂肪併用は肝への影響は少ないことが示唆された.術前から両群とも肝障害程度に応じて血清必須脂肪酸の低下が認められ,術後ではさらに低下したが,両群とも脂肪併用例では減少が抑制された.また術後では両群とも負荷脂肪の血漿消失率K2値は上昇した.以上より糖尿病型を示すような耐糖能の低下した肝障害患者術後TPNでの脂肪併用は意義あるものと考えられた.
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