日本臨床外科医学会雑誌
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肝癌の小林リスクスコアからみた肝細胞癌切除例の検討
才津 秀樹牟田 幹久大神 延喜松本 敦重富 和治安藤 和三郎谷脇 智杉山 俊治奥田 康司中山 和道大石 喜六吉田 晃治野中 道泰麻生 重明清松 和光
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1992 年 53 巻 3 号 p. 543-548

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抄録

手術関連死(術死,在院死)と絶対非治癒切除を除いた肝癌切除171例を対象として,肝癌の小林リスクスコアからA群(7.5以上; 29例), B群(7.4~6.0; 94例), C群(5.9以下; 48例)の3群に分け検討し,以下の結果を得た. 1) リスクスコア6.0以上のsuper high risk group (SHRG)は171例中123例(71.9%)と高率であった. 2) A群は他の2群に比べ,術後生存率,無再発生存率とも有意に不良で(p<0.05),その理由としては,再発だけでなく,再度発癌の可能性が示唆された. 3) B群からA群へとリスクスコアを増加させる因子はHBs抗原(+),アルコール歴(+),家族内集積(+), AFP≧21ng/mlの4因子で, B群からC群へリスクスコアを減少させる因子は年齢,性別の2因子であった(p<0.01). 4) A群はC群より平均腫瘍径が大きく, B, C群よりStage I, IIの割合は少なかったものの(p<0.05),腫瘍肉眼型, fc, fc-inf, vp, in, Hr, twの7因子は3群間に有意差はなかった.

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