日本臨床外科医学会雑誌
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成人右室二腔症の3治験例
森田 一郎藤原 巍野上 厚志山根 尚慶吉田 浩勝村 達喜
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1992 年 53 巻 3 号 p. 594-598

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抄録

右室二腔症は,一般的には小児の疾患で成人例はめずらしい.われわれは, 46歳, 46歳, 62歳の3例に外科的治療を施行したので報告する.各々の右室内圧較差は,症例1が110mmHg,症例2が80mmHg,症例3が150mmHgであった.手術アプローチは,症例1と症例3では,右室低圧部切開にて行い,症例2はVSDを合併しており右室低圧部から高圧部にかけて縦切開にて行った.術後,全例で右室内での圧較差は消失したが,拡張末期圧が上昇した.それは,術後の右室拡張期障害を示したものと思われたが,現在右心系の機能障害を認めるものはない.

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