日本臨床外科医学会雑誌
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腹部大動脈瘤を合併した医原性無症候性上腸間膜動静脈瘻の1例
渡辺 正明岩谷 文夫猪狩 次雄緑川 博文小野 隆志星野 俊一井上 仁
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1992 年 53 巻 3 号 p. 629-633

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抄録

本邦において腹腔内蔵領域における医原性動静脈瘻の報告は稀である.われわれは虫垂切除後の腸閉塞により小腸切除を施行後7年目に拍動性腹部腫瘤の検索中,偶然に発見された無症候性の上腸間膜動静脈瘻を経験した.動静脈瘻切除と動脈瘤切除兼人工血管置換術を二期的に施行し,術後連続性雑音の消失及び腹部CT,動脈造影にて上腸間膜動静脈,門脈径の縮小を認めた.本例における上腸間膜動静脈瘻は小腸切除術におけるmass ligationによるものと考えられた.

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