日本臨床外科医学会雑誌
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Meigs症候群を呈した直腸癌の1例
松崎 正明村瀬 正治神谷 勲堀尾 静佐久間 温巳
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キーワード: 直腸癌, Krukenberg腫瘍
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1992 年 53 巻 3 号 p. 667-670

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抄録

卵巣の線維腫に胸・腹水が合併し,その腫瘍を摘出すれば,胸・腹水が速やかに消失する病態はMeigs' syndromeと呼ばれている.線維腫以外の骨盤内腫瘍の場合は, pseudo-Meigs' syndromeと呼ばれている.
39歳女性,便秘・下痢を主訴に来院し,直腸指診,バリウム注腸X線造影にて直腸癌と診断され,他部位への転移の有無を検索中胸・腹水の貯留,卵巣腫瘍が認められた.直腸癌の卵巣,腹膜転移と診断され手術となる.肝,腹膜に転移なし,右卵巣にKrukenberg腫瘍あり,腹会陰式直腸切断術,右卵巣摘出術を行った.術後早期に胸・腹水が消失し,再貯留を認めないことより,この症例は広義のMeigs症候群であった.

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