日本臨床外科医学会雑誌
Online ISSN : 2189-2075
Print ISSN : 0386-9776
ISSN-L : 0386-9776
術前に局在診断し得たインスリノーマの2例
山下 好人有本 裕一国頭 悟西口 幸雄李 在都冬廣 雄一馬場 満
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 53 巻 3 号 p. 680-684

詳細
抄録

術前に局在診断し得たインスリノーマの2例を経験した. 2症例とも意識消失発作で来院し,空腹時血糖値,血中インスリン値などからインスリノーマが疑われた.超音波検査,経皮経肝門脈採血法(PTPC)血管造影,ダイナミックCTにて膵頭部に単発したインスリノーマと診断し,術中超音波検査を用いることにより主膵管を損傷することなく腫瘤核出術を施行した.
インスリノーマの治療の原則は腫瘤の完全摘除である.しかし,腫瘤は小さく,多発例も存在するため,その局在診断は容易ではなく,超音波, CT, PTPC,血管造影などの検査を組み合わせて局在を判明する努力が必要と考えられた.

著者関連情報
© 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top