日本臨床外科医学会雑誌
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膵島細胞腫瘍7例の術前画像診断に関する検討
三谷 真己片岡 誠桑原 義之谷脇 聡呉山 泰進春日井 貴雄三井 敬盛川村 弘之岩田 宏坂上 充志加島 健利佐藤 篤司正岡 昭土屋 隆
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1992 年 53 巻 3 号 p. 685-694

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抄録

1972年より1990年の18年間に経験した7例の膵島細胞腫瘍(インスリノーマ3例,ガストリノーマ2例,非機能性腫瘍2例)を報告するとともに非機能性腫瘍本邦報告例のうち悪性経過例及び嚢胞形成例を検索し,主に術前画像診断について検討した.血管造影における血管の侵襲像(encasement, occlusion, AVshunt) ERCPにおける膵胆管の途絶,狭窄は腫瘍の良悪性の判定上有用であった.非機能性腫瘍のうちに嚢胞形成例は約30%あり他の膵嚢胞性疾患と誤診される事が多い.しかし血管造影にて濃染する部分, CT, USにて嚢胞構造の中にも充実性部分を見いだす事により膵仮性嚢胞等良性嚢胞とは鑑別され手術治療は選択され得る.しかし他の腫瘍性嚢胞との鑑別は困難である.

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