抄録
最近の12年間に, 19例に対する26回の大動脈弓部分枝血行再建術を経験したので臨床的検討を加えた.大動脈炎症候群5例,閉塞性動脈硬化症11例,胸郭出口症候群及び左鎖骨下動脈瘤1例,血管分岐異常1例, Behçet病1例であった.バイパス手術は13例に16回17本(人工血管14本,自家静脈3本)行われ,バイパスの閉塞はすべて術後2年以内で,人工血管の閉塞は大動脈炎症候群2例,閉塞性動脈硬化症1例,自家静脈の閉塞は, Behçet病1例であった.手術死亡はなかったが, 3例の再手術を経験した.再手術は,大動脈炎症候群,動脈硬化症, Behçet病で1例ずつ経験した.血栓内膜摘除術は6例に9回行われ,再手術例は1回で,パッチ拡大が行われた.血栓内膜摘除術は現在のところほぼ満足のゆく成績であるが,バイパス手術はグラフトの選択も含め,なお問題が多い.