抄録
過去2年10カ月間に急性虫垂炎の疑いにて腹部超音波検査(以下US)が施行された12歳以下の小児65症例を,虫垂切除非適応症例(A群) 30例と虫垂切除適応症例(B群) 35例にわけ, US診断の有用性をretrospectiveに検討した.急性虫垂炎のUS診断基準は虫垂エコーが描出されて,かつ, (1) 外径が10mm以上, (2) 三層壁構造をもつ, (3) 周囲にhigh echo levelを伴う, (4) 周囲にfluid collectionを伴う, (5) 内部にfecal stoneを伴うものとし, (1)~(5)の所見が少なくとも1つあるものを手術適応とした.虫垂エコーの描出はB群で91.4%と高率に描出され,その平均外径はA群10.0mm, B群13.1mmで炎症の進行につれ増大した.三層壁構造・high echo level・fecal stoneの描出はB群にのみ認め手術適応決定の確定診断所見であり, fluid echoの描出は間接所見として重要であった.手術適応決定のUS診断基準はsensitivity 88.5%, specificity 90.0%と高い正診率を示した.