日本臨床外科医学会雑誌
Online ISSN : 2189-2075
Print ISSN : 0386-9776
ISSN-L : 0386-9776
転移性肝癌の超音波所見の検討
腫瘤径3cm未満36症例の検討
稲吉 厚原 正彦脇 澄夫林田 信夫松崎 法成有田 哲正八木 泰志池田 恒紀蔵野 良一
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 53 巻 4 号 p. 820-825

詳細
抄録
最近の8年間に当院で経験した,腫瘤径が3cm未満で原発臓器の明らかな転移性肝癌36例において,それらの超音波像を検討するとともに,大腸癌の肝転移症例の2例については,病理組織像との対比検討を行った.
その結果, 3cm未満の転移性肝癌の腫瘤エコーの形状は,球状のものが大部分であり,辺縁底エコー帯を高率に認め,薄いものが多かった.また,内部エコーパターンは,高エコー型,等エコー型,低エコー型および混在型と様々であった.その中で,腫瘤径が2cm未満では混在型は認めなかったのに対し, 2cm以上では混在型を認め,内部エコー配列も不均一なものが多かった.
次に, 3cm未満の転移性肝癌の超音波所見と原発臓器との関係をみると,大腸癌の肝転移は高エコー型のものが多く,膵癌の肝転移はすべて低エコー型と等エコー型であった.しかし,胃癌に関してはあまり特徴がみられなかった.
また,大腸癌の肝転移切除例2例を検討した結果,辺縁低エコー帯の原因として,周辺肝組織の圧迫および腫瘤辺縁のviable cancer cellの残存が大きく関与し,内部高エコーの原因として,腫瘤内の変性壊死,出血,線維化などの混在した状態が関与しているものと考えられた.
著者関連情報
© 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top