日本臨床外科医学会雑誌
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腫瘍径2cm以下の小肝細胞癌切除例の臨床病理学的検討
岡田 和也中島 公洋岩男 裕二郎吉田 隆典御手洗 義信金 良一小林 迪夫
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1992 年 53 巻 4 号 p. 813-819

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抄録
腫瘍径2cm以下の小肝細胞癌切除12例15結節について臨床病理学的に検討したので報告する. 12例中10例に肝硬変が合併していた.術後在院肝不全死3例を除く切除耐術9例の累積生存率は1生率100%, 5生率86%であった.組織学的には腫瘍は多彩な組織像を呈したが,高分化型肝癌が12結節にみられ,被膜形成は幼弱であった.被膜浸潤fc-infは14結節にみられたが,血管侵襲vpは13結節で認めないか軽微であった.肝切離面における癌浸潤tw (+)は部分切除を施行した5結節にみられたが,再発はみられていない.また単結節周囲増殖型ではfc-infとvpが高率に認められた.したがって単結節周囲増殖型に注意すれば, tw (+)の部分切除でも十分根治性が得られるものと考えられた.一方,多結節型や肝内転移症例が12例中4例あり, 1例に再発癌死を認めたことから,腫瘍径2cm以下の小肝細胞癌といえども進展様式の正確な把握と適切な術後補助療法が必要と考えられた.
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