日本臨床外科医学会雑誌
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Quality of lifeからみた膵頭十二指腸切除術後の問題点
楠本 哲也是永 大輔田村 重彰吉村 高尚持田 和幸首藤 浩一郎上尾 裕昭松浦 龍二杉町 圭蔵
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1992 年 53 巻 4 号 p. 832-836

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抄録
膵頭十二指腸切除(PD)術後10カ月以上生存した5例の術後のquality of life (QOL)を就労状況と栄養状態の面から分析した.その結果, (1) PD後のperformance status (P. S.)の低下は回避できず,術前と同様の就労は困難であった. (2) 術後1~3カ月の間に急激な体重減少が認められ,血清蛋白質やアルブミンの値は術前に比較して著しく低下した. (3) 術後4年以上の長期生存例では膵消化酵素剤や栄養剤の投与にもかかわらず,低蛋白血症や貧血が慢性化する傾向にあった. PD術後のQOLの低下を充分に阻止出来ないのが現状であり, QOLの低下の要因として術後の栄養状態が挙げられる. PD術後には定期的な栄養指標の評価と臨機応変の栄養対策が重要であり,また,その手術適応は患者の身体的条件,社会的背景等を含めて慎重に判断することが必要と考えられた.
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