日本臨床外科医学会雑誌
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噴門側胃切除術後に発生した残胃初発癌の1例
西江 浩塩田 摂成松井 孝夫広岡 保明村田 陽子浜副 隆一貝原 信明
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1992 年 53 巻 4 号 p. 862-866

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抄録
近年,良性疾患に対する胃切除後に発生する残胃初発癌の報告例は増加してきているが,そのほとんどは幽門側胃切除術後に発生したものであり,噴門側胃切除術(噴切)後の残胃初発癌の報告は本邦では自験例を含め3例の報告をみるのみである.今回,われわれは,噴切後に発生した残胃初発癌の1例を経験したので報告する.症例は58歳男性で, 1973年3月に噴門部出血性胃潰瘍に対して噴切が施行された.約14年後の1987年7月に嘔気・嘔吐が出現し,残胃初発癌と診断され,同年9月3日に残胃全摘術を施行した.残胃全体を占めるBorrmann 4型胃癌であった.術後12カ月目に腹膜再発にて死亡した.噴切は術後の貧血の発症頻度や,消化管ホルモン動態の面から今後さらに検討されるべき興味ある術式であるが,残胃癌発生を念頭においたfollow upが必要であると考えられる.同時に,その発生要因についても若干の考察を加えた.
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