日本臨床外科医学会雑誌
Online ISSN : 2189-2075
Print ISSN : 0386-9776
ISSN-L : 0386-9776
皮膚筋炎に合併した消化管悪性腫瘍の2手術例
中浜 貴行世古口 務山本 敏雄勝峰 康夫稲守 重治野田 雅俊
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 53 巻 4 号 p. 878-882

詳細
抄録
皮膚筋炎に合併した消化管悪性腫瘍の2例を経験したので報告する.症例1, 55歳男性.四肢の関節痛と筋力低下にて入院.顔面と胸部の紅斑とGottron徴候を認め, LDH, CPKの異常高値にて皮膚筋炎と診断され,ステロイドの投与を受けた.その後上部消化管透視にて胃角部大弯にIIc+III型早期胃癌が発見され手術施行.深達度mでありリンパ節転移はみられなかった.術後皮膚筋炎の症状は軽快したが,術後2年6カ月目に腎不全にて死亡した.症例2, 67歳女性.下肢の筋力低下と残便感にて来院.顔面の紅斑とHeriotrope疹を認め, LDH, CPKの異常高値と筋生検にて皮膚筋炎と診断された.同時に行われた注腸透視にて直腸癌が発見されたためステロイドを投与しつつ手術施行.深達度a1の進行癌であった.術後皮膚筋炎の症状は消失したが,術後4カ月目に肺炎で死亡した.以上の2例はともに術後皮膚症状の消失があり,悪性腫瘍と皮膚筋炎とに何らかの因果関係があるものと考えられた.
著者関連情報
© 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top