日本臨床外科医学会雑誌
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巨大腋窩リンパ管腫の1例
岡本 友好田中 純忠岡 信彦徳安 公之笹 裕恩田 啓二岩淵 秀一池内 準次青木 照明田所 衞
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キーワード: リンパ管腫, 腋窩
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1992 年 53 巻 4 号 p. 977-980

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抄録
嚢胞性リンパ管腫は,リンパ球系組織の先天性異常と考えられ,小児の頸部及び顎下部に多く見られる良性腫瘍である.最近われわれは,妊娠を契機に増大した腋窩の巨大嚢胞性リンパ管腫の1手術例を経験した.症例は43歳女性で第2子妊娠中に左腋窩の腫瘤に気づき第3子妊娠中に増大傾向を認めた.その後,近医にて穿刺を受けていたが軽快せず来院した.超音波, CT上腋窩動静脈下に嚢胞性の腫瘤を認め,血管造影ではAvascular lesionであった.全麻下に摘出術を施行したところ腫瘤は黄色透明な内容液を含んだ多房性の巨大嚢胞性病変(19×14×12cm)であった.術後病理組織標本にて嚢胞性リンパ管腫の診断を得た.腸間膜,後腹膜での巨大リンパ管腫の報告例は多いが,腋窩での報告例は少ない.本症例のように妊娠を契機に増大,巨大化する場合もあるので,穿刺による縮小化を繰り返すことなく,早期に摘除することが望ましいと考えられる.
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© 日本臨床外科学会
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