日本臨床外科医学会雑誌
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原発性肝癌破裂の3例
片方 直人星野 正美菅野 正彦菊池 洋一小山 善久井上 典夫土屋 敦雄阿部 力哉五十嵐 忠行
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1992 年 53 巻 5 号 p. 1192-1196

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抄録
肝癌自然破裂は出血性ショックをきたしやすくその予後は極めて不良とされている.最近肝癌自然破裂3例に対してリピオドールによる肝動脈塞栓術(TAE)で止血を行い,全例救命することができた.さらに,このうち2例に対して待期的に肝切除を追加し良好な結果を得たので報告する.症例1は64歳男性. TAE後40日目に肝右葉切除術施行した.発症後2年8カ月現在生存中である.症例2は65歳男性. TAE後90日目に肝上区域切除術を施行した.発症後9.5カ月現在生存中である.症例3は72歳男性. TAE止血後も肝機能,呼吸機能が極めて不良なため肝切除は施行できず発症後108日で死亡した. TAEにて一時的な止血を行い全身状態の改善をまってから十分な肝予備能の評価により肝切除可能な症例を選択し,二期的に肝切除を施行することが破裂肝癌症例の短期的,長期的予後の改善に有効であると思われる.
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