日本臨床外科医学会雑誌
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非外傷性腹直筋血腫の1例
阪本 研一船戸 崇史市橋 正嘉多羅尾 信後藤 明彦
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キーワード: 非外傷性腹直筋血腫
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1992 年 53 巻 5 号 p. 1223-1227

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抄録
今回,非外傷性腹直筋血腫を1例経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.症例は76歳,女性で左下腹部有痛性腫瘤を主訴とする.労作時突然,腹痛を認めた.左下腹部に手拳大の腫瘤を触知し,同部位に著明な圧痛と腹膜刺激症状を認めた. US, CT検査を施行するも腹腔内病変を疑い直ちに手術を施行した結果,左下部腹直筋鞘内に血腫を認めた.本症は比較的まれで本邦報告例は自験例を含め79例である.平均年齢55.5歳,男女比1:2.誘因は咳嗽が,基礎疾患は呼吸器疾患がもっとも多い. US, CTのいずれかを施行した症例の正診率は83%と,いずれも施行しなかった症例の37%より明らかに高い.本症では自験例のごとく腹膜刺激症状を認めることが多く,本症を念頭に置かないと腹腔内病変と誤診しやすいため十分な配慮が必要と思われた.
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