日本臨床外科医学会雑誌
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乳腺細胞診におけるC-erbB-2蛋白の発現と核小体形成体の意義
岡田 卓子須田 嵩鬼頭 文彦竹村 浩中村 宣子高久 良子船塚 治小沢 早苗山岡 博之石山 暁河野 敏郎林 嘉繁
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1992 年 53 巻 6 号 p. 1270-1275

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抄録
96例の乳腺疾患(良性疾患52例,乳癌44例)の細胞診に対して,酵素抗体ABC染色,銀染色を行い, C-erbB-2蛋白の発現と核小体形成体の数と形態を調べて,細胞診の段階でC-erbB-2蛋白の発現の有無と増殖能の高さを検討した.結果: C-erbB-2蛋白は良性疾患は52例中5例(10%),乳癌は44例中20例(45%)に発現していた.乳癌ではリンパ節転移の進んだものに発現が多かった.核小体形成体は良性疾患は円形で大きさもほぼ均一だが,乳癌は大小不同で多彩な形態のものが多かった.核内平均ドット数は乳癌(平均4.30±2.80)が,良性疾患(平均2.77±0.54)より有意に多く,乳癌のうちではC-erbB-2陽性のもの(平均6.29±3.02)が陰性のもの(平均2.83±1.66)より有意に多かった.乳癌でのC-erbB-2蛋白の発現はリンパ節転移,増殖能の高さと関連があり,予後規定因子の一つであると考えられた.
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