抄録
1990年3月までに当科で手術を施行した肺癌122例を対象とした.症例は70歳以上の高齢者群(29例)と70歳未満の対照群(93例)に分けられた.統計学的検討はχ2検定を用いた.
平均年齢は高齢者群73.5±3.0歳,対照群60.0±6.8歳であった.高齢者群は男20例,女9例であった.対照群は男62例,女31例であった.両群間に性差はなかった. Brinkman Indexは高齢者群で750±462,対照群で535±549でp<0.05で有意差を認めた.
術式,臨床病期,組織型は両群間に有意差はなかった.術前肺機能において高齢者群が不良で両群間に有意差を認めた(FVC: p<0.01, FEV1.0: p<0.05).術後呼吸機能のうちPaO2で両群間に有意差を認めた(PaO2: p<0.01).術前合併症で両群間に有意差があったが(p<0.01),術後合併症に有意差は認めなかった. 5年生存率に両群間に有意差を認めなかった.
70歳以上の高齢者は根治手術を施行しても術後若年者に比べて不利な条件が多いと言えなかった.