日本臨床外科医学会雑誌
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直腸カルチノイド13例の臨床病理学的検討
特にその治療方針について
石井 誠一椎葉 健一蝦名 宣男斉藤 善広溝井 賢幸安西 良一大越 崇彦小関 廣明鈴木 幸正浅沼 拓三浦 康松野 正紀
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キーワード: 直腸カルチノイド
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1992 年 53 巻 6 号 p. 1296-1300

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抄録
過去18年間に経験した直腸カルチノイド13症例について臨床病理学的検討を行った.直腸カルチノイドの頻度は直腸癌の3.5%と比較的高率であった.症状は下痢,血便などであるが,無症状例も多かった.腫瘍は肛門縁から10cm以内の中下部直腸に好発し,粘膜下腫瘍状またはポリープ状で19mm以下の小腫瘍が大半を占めた.深達度は腫瘍径19mm以下の11例はsm, 20mm以上の2例はpmとa2であった.術式は局所切除が12例に,直腸切除が1例に行われ,リンパ節転移例は認めなかった.遠隔成績では,腫瘍径19mm以下で深達度smの症例は良好であったが,腫瘍径20mm以上で深達度pm以上の2例は肝転移のため死亡した.直腸カルチノイドの予後が,腫瘍径や壁深達度と関連することは,諸家の報告と同様であった.治療としては,径19mm以下で深達度sm以下の場合には局所切除の適応があるが,径20mm以上または深達度pm以上の場合には,直腸癌と同様の根治手術を要すると考えられた.
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